四国 吉野川ラフティングでガイドをしていた時の話 part2
こんにちは。
これの続きになります。
サクッと書いて終わる予定でしたが、若い頃が懐かしくなり長くなっています。
part1ではまだ、ラフティングガイドにすらなっていませんのでまた長くなってしまうかもです。
ではでは続きになります。
初めての吉野川
さて、川の基礎的な講習が終わりましていざ吉野川へ行くことになるのですが、このガイド会社は川の渓谷沿いに建てられており、川に降りれるようになっています。
この辺りは大歩危峡とも呼ばれており、少し下流に行くと小歩危峡とも言われております。
特に小歩危峡の方が日本一の激流とも言われており、ラフティングやカヤックのコースとして有名です。
大歩危小歩危として約8kmの激流コースとなっておりますが、名前の由来は『大股で歩くと危険だから大歩危』、『小股で歩いても危ないから小歩危』という説があるそうです。
小歩危の方が大歩危に比べると、名前の由来の通りとってもスリリングなコースとなっております。
さて、この吉野川はすべてが激流なわけではなく、激しい流れが続く瀬の後には流れが全然ないくらいのゆったりとした場所になります。
そんな場所の上にこのガイド会社は建てられており、そこにボートを下ろして体験練習が始まりました。
ちなみに、ラフティングのボートですが自分たちで膨らませます。業務用のような空気入れがあり、目一杯体重をかけてあの大きなボートを膨らませるのです。
空気を入れる箇所はたくさんあり、一ヶ所くらい穴が空いても沈むことはまずないです。
その空気入れの作業がとってもハードでした。浮き輪を膨らませるのとは全然違って、体力勝負です。
そして膨らんだボートを三人か四人くらいでかつぎ上げて川まで持っていくのです。
ここまででけっこう疲れました。とにかく体力を使う仕事ということが準備段階で身を持って分かります。
パドルトーク?の練習。
さて、川岸にきました。
まずはパドルトークと呼ばれる、いわゆるお客様に対してのラフティング講座をやります。
川でのやってはいけないこと、ボートに乗る位置やボート上での姿勢の確認。
パドルの持ち方。(漕ぐ道具のことです)
ちなみにこのパドルですが乗る位置によって持ち手が変わるのですが、Tグリップと言う一番先端の持つ所があります。
ここは絶対にはなしてはいけないと説明します。なぜかと言うと、ラフティングツアーは激流の中進むのでボートは結構揺れます。Tグリップを離してしまうことにより周りの同乗者に当たって最悪骨折する可能性があるためです。
どんなに揺れていても握り続けなくてはいけないのです。
持ち方が分かれば漕ぎ方の練習をやり、ガイドの掛け声と合わせて一緒に漕ぐ練習などをします。
前漕ぎ、後ろ漕ぎなど。
また、あまりにも流れが激しい所ではお客さんに漕ぐのを止めてもらい、周りのロープに捕まってもらったりあるいはボートの中に入ってもらうこともあります。
その時はガイドが、
『捕まってーーー!!』
とか、
『なかに入ってーーー!!』
とか叫びます。
※この中に入っている時だけTグリップは離して良いことになっている。
この練習もパドルトーク時に説明します。
あとは、ロープレスキューのことやもし川に落ちてしまった時の姿勢です。これはpart1でも書きましたがボディーエントラップメントと言って川底の石や流木に足等の体が引っかかってそのまま流れに押されて身動きが取れずになってしまうことです。
ロープレスキューは瀬の場所では必ず待機しているので、必ず足をあげてそのまま流されるようにしてくださいと説明をします。(体はライフジャケットを着ているので沈むことはないです。)
パドルトークが終わりましたら、いよいよ川へ入ります。
川の講義
いよいよ初めて吉野川へ入ります。
体験講習とはいえ、ドキドキです。
流れは全然無い場所とはいえ、だまって何もしなかったらもちろんじわじわと下流へ流れていきますので、早速漕ぎ方の講習が始まりました。
ラフティングガイドはボートの最後方に乗ると言うよりは立ちます。
私は右側に最初乗って始めたのでそのまま右側が自分のポジションになってしまいましたが、特に右利きだから右というわけではなく別に左側でスタートしていたら、そのまま左側が自分のポジションだったと思います。
(ガイドになって分かりましたが、吉野川は左側のポジションの方が地形的に有利でした。川によって使い分けることが出来れば苦労しないのですが、右利きを左利きに急に変えれないのと一緒で難しいのです。)
そして右足をしっかりと踏ん張れる場所に置き、そのまま押されても倒れないような位置を見つけます。そうしないと激流のなかでは落とされてしまいますし、舵を取ることも出来ません。
ラフティングガイドは漕ぐ役目ではなく舵を取る役目でして、漕ぐのはお客さんです。
お客さんがエンジンの役目でガイドはハンドル操作でしょうか。
なので、まずやることはお客さんに前へ進ませる漕ぎ方をしっかり教えておかないと激流の中では進む推進力が強いほど安定しますので、とっても重要なこととなります。
当たり前ですが、漕ぎ方をガイドはしっかりマスターしておかないと教えることも出来ないですし、操作も出来ませんのでひたすら漕ぎ方の講習です。
基本的な漕ぎ方いくつか紹介します。
Jストローク
ラフティングのようなシングルパドルで操作するボートの基本的な漕ぎ方になります。
前方から漕いでいくとボートはただ回転するだけですが、後方まで漕いでいく途中で回転を殺す動きをしてパドルの先端(ブレード)の向きを変える。
この動きがちょうどJの形になる。右側に漕いだ時は逆の字になってしまいますが、このストロークを繰り返すことでまっすぐ進むことが可能になるのです。
ラフティングガイドはお客様に漕いでもらいながら、このJストロークでまっすぐ進むようにコントロールします。
フォワードスイープ、バックスイープ
これは一気に右に角度を変えたり、左に角度を変えたい時に使う漕ぎ方になります。
パドルを水面に入れたら、しっかりと水をつかむようにしてその場所を起点に前から後ろに半円を描くようにしてボートを動かすのがフォワードスイープ。
また、その逆で後ろから前にパドルを動かすのがバックスイープになります。
これ、結構使いました。
岩などの障害物が前方にあった時など急に方向を変えたいときはスイープを一発入れて方向を変え、お客さんに漕いでもらって回避する感じです。
ドローストローク
これはボートを横方向に動かす漕ぎ方になります。
カニ歩きみたいな感じですね。
やり方は横方向のなるべく遠い所にパドルを水面に入れて、あとは自分に引き寄せるように漕ぐといいのですが結構力が入ります。
横方向に移動するのは割と重要でして、何か落とした時や救助する時など横に移動したい時は結構あるものです。
そんな時に使っていました。
結局長くなってしまいました。
すみません!
今回もそろそろ3000字が近づいてきているので、そろそろ終了となります。
この5日間体験講習はこんな感じで進みましたが、最終日に実際にコースに出るスペシャルな講習へとなります。
もちろんガイドなんて出来ませんよ。
お客さんの立場になり、実際にコースへ出てラフティングツアーを体験するのです。
私はこれでハッキリとラフティングガイドになりたい願望が確信へと変わりました。
それほど初めてのラフティング体験は衝撃的でした。
ではではpart 3へと続きます。
長くなって本当に申し訳ございません。