四国 吉野川ラフティングでガイドをしていた時の話 part 1
こんにちは。
今回は私がまだ若かった頃(今は40代のオヤジ)のお話になりますが、23〜25歳くらい頃のことです。
この時期はアウトドアガイドやスキー場でお仕事していました。
そんな仕事に興味ある方は是非読んでみて下さい。
何か参考になればと思いますので。
アウトドアガイドを目指す!
私は大学に行ってスキー部に入りました。もともとスキーが好きだったのですが、自然な空間が好きだったこともあり山の中で出来るスキーが特にお気に入りだったわけです。
冬が来るのが毎年楽しみで、夏は今ひとつ物足りなさを感じていました。
大学生なんて時間がいっぱいある訳でして、今思えば夏ももっとスキー以外の楽しみをやっていれば良かったと後悔はしているのですが、冬場に何十万円とお金のかかるスキーのためにアルバイトをしていた訳です。
その流れに乗って、就職した後も冬のスキーのことで頭がいっぱいでしたが、学生の頃に比べればお金には多少余裕もあったので自転車に少しだけですがハマりました。
最初のボーナスでマウンテンバイクを購入し、なるべく車を使わないように乗り回しておりましたが、頭の中は『スキーのトレーニングなって良いなぁ』と思っており、本格的にハマったわけではないのです。
夏場にハマるものは何かないかと模索していました。
そんな時に一本のビデオテープが私の人生を変えてしまいました。
(20年前はDVDもないビデオテープ時代です。懐かしい〜。)
この佐々木大輔さん。
私が今も尊敬する方ですが、この佐々木大輔さんの出ているスキービデオを観てとにかく衝撃を受けてしまいました。
『なんじゃこりゃー!』
の連続で、私はそれまでスキー場の中で規制された中のスキーしかしていなかったのですが、佐々木大輔さんの出演しているビデオはリフトのない山を登って滑り降りる、
『バックカントリースキー』をこの時はじめて知りました。
そして生き方にも憧れを感じてしまい、一年中外で好きな自然に向かい合う アウトドアガイドはもしかして天職だと思い込み、さっさと仕事を退職してしまったのです。
リバーガイド?
退職してすぐにアウトドアガイドの仕事を探しました。
とりあえず山岳ガイドを中心に探しておりましたが、私は山登りの経験が乏しいもので山岳ガイドになるには山登りの経験値あまりにも少なすぎました。
そこでアウトドアショップで働けば、従業員さんがもしかしたらみんな山の経験がすごいと思い気になるお店を見て回っていた時に、あるスタッフ募集の紙が目に止まりました。
『リバーガイド募集!!』
リバーガイド?
なんじゃそれ?
最初、川の仕事って何?と思い紙を取って見てみると、
ラフティングガイドの募集
でした。
初心者でも大丈夫!丁寧に指導します!
『四国?』
北海道で生まれ育った私には遠すぎる場所でした。
でも、無性に気になるのでその紙を家に持ち帰りまして、とりあえず調べてみることにしたのです。
吉野川ラフティング
どうやら吉野川はラフティングをするにはとっても素敵なフィールドみたいで、日本一の激流らしいのです。しかもそんな場所にも関わらず、寮完備で食費は自費ですがあとは無料でした。
私は冬になればスキーがあるから夏場に出来る仕事を探していたこともあり、場所が四国とはいえものすごい惹かれました。
北海道にもラフティングをしているガイド会社はたくさんあるのにも関わらず、四国の吉野川に猛烈に惹かれたのです。
もうこうなったら若い頃の私は止められません。とりあえず5日間の体験があったので早速電話をして申し込みました。
いざ四国へ!!
確か4月の下旬だったと思います。
私はこの頃乗っていた250ccバイクに荷物を乗せて、四国は高知県長岡群大豊町まで向かいました。
北海道からフェリーに乗り明石海峡大橋を渡り四国に着くまで、途中海でキャンプしながらなんとか目的地のガイド会社に到着しました。
はじめての四国ということでとても気持ちはワクワクしており、途中道路から見えた吉野川の渓谷がとってもきれいで感動の連続でした。
体験講習の前日に着いたので、次の日から体験になります。
ガイドハウスという寮に案内されて、ここで好きに過ごしてもいいことに。
しかし、このガイドハウスがすごかった。
20人くらい収容の部屋にキャンプ用ベッドが並べられており、好きな所で寝ていいよ!と言われたもののあまりにも簡素すぎてビックリです。
幸い寝袋があったから良かったものの、毛布すらない環境でした。
そしてなんとシャワーもなく、お風呂は入れません。(数ヶ月後にようやくシャワー室が出来る)
基本、お風呂はガイド会社にお客さん用のシャワー室があり、そこを借りるか近くに温泉があるのでそこに行くしかない。なかなかワイルドです。
周りにはコンビニなど一件もなく、スーパーもない場所でして食材は近くに唯一あった小さな商店で買うことが出来ました。
慣れてしまえば全然不便しないのですが、最初は少し困ったのを思い出します。
こういう何もない場所ですから、手付かずの大自然が残っていて環境はとっても良い所です。夜には天の川が普通に見える所であり、感動の毎日でした。
川の基礎的な講義
さて、早速体験の初日です。
私を含めて、3人くらいだったと記憶しています。
まずは川の講義でした。
川の流れは同じように流れているようで、実は様々な流れがあります。
ホワイトウオーターという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
浅くて流れが速い場所になるのですが、白波が立ち激しい流れになっています。
瀬とも言いますが、ラフティングのコースではよく『〜の瀬』という感じで名前が付けられていることが多いのです。
実際吉野川にも色々な名前が付いた瀬があります。
有名な瀬が『大滝の瀬』、『曲戸(まがりど)の瀬』、『鮎戸(あど)の瀬』の3つ。
コースの最後に出てくるこの3つのコースがとにかくスリリングです。
エディという言葉も覚えておくといいです。
簡単に説明すると、川の流れの中にある大きな岩の背後が渦を巻いた状態になっている場所のこと言います。
この場所は反転流になっているため、ボートを止めておくことが出来る場所になります。よく休憩やロープレスキューする場所として使います。
但し、渦を巻いた状態のため強烈なエディだともし落ちてしまったら出てこれなくなることもあるので注意が必要です。
ストレーナーも覚えておくといいでしょう。
流倒木や杭等の障害物のことを言います。川にはこういった障害物がよく見られます。特に流れが強い上流では特に危険なものになるので絶対に安易に近づいてはいけません。
ボディーエントラップメントと言って、障害物に体が引っかかって流れに押されたまま身動きが取れない状態になってしまう恐れがあるのです。
もしもラフティング最中に川に流されてしまった場合は必ず足を水面から出して流されて下さい!ライフジャケットを付けているので足をあげることが出来ます。
その他、まだあるのですがこの三点を知っておくだけでも川の見方が変わります。
後は、リバーサイン(川では音がうるさいため体でサインを出して、コミニュケーションをとることが必要です)のやり方。
ホイッスルのやり方。(音の回数や出し方でサインになる)
基礎的なロープレスキュー方法
などの講義を受けて川に出ました。
そして、いざ吉野川へ!!
しかし長くなってしまうので今回はここまで。
part 2へ。